ゼルダの伝説 時のオカリナ RTA入門指南書(準備編)
時のオカリナRTAを始めてみたいけど何から用意すればいいのだろう?というそんなあなたのための入門指南書。右も左も分からないという前提で、とりあえず基礎知識を羅列した。
一応時のオカリナRTAを例にしているが、以下の”何を準備すればいい?”の項目はゼルダシリーズに限らずどのゲームのRTAにも言えることなので、ぜひ参考にしてほしい。
*何を準備すればいい?
・まずはゲームハードとソフト。
バージョン関係なく既に手元にソフトがあるならそれでいい。多少差はあるが、大部分は大きな違いがない。持っていないのならWiiのVC(バーチャルコンソール)をオススメする。
差については後述のバージョンの説明を参照。
・続いてTwitterアカウント。
国内外問わずほとんどの走者がアカウントを持っているので、片っ端からフォローして情報収集や質問するためのネットワークを作っておいた方がいい。
かなり重要。これを怠る理由はない。
・さらにDiscordも導入するとなお良い。
導入方法 : http://ch.nicovideo.jp/1412kigou/blomaga/ar1134840
ボイスチャットよりも文字でのやり取りによる情報交換の方が主に利用されていて、マイクは無くても全く問題ない。
国内にゼルダRTAサーバーがあり、走者への質問等はもちろん、解説動画のリンク集なんかもあるのでぜひ利用するといい。
インバイトコード : https://discord.gg/Q5Nx2CB
・後は録画環境。
生放送での配信をするしないに関わらず、録画できる環境は整えた方がいい。
バグ技ができなくてつまずいた時に、その録画があればより正確なアドバイスができる。
必要な機材はキャプチャーボードと呼ばれるもので、それを使ってPCとゲームを繋ぎ、PCにゲーム画面を出力できる。
キャプチャーボードは、有名な”GV-USB2”を使うのがオススメ。3000円程度で買える。
詳しくはこのサイトを見るといい。
https://www18.atwiki.jp/live2ch/pages/278.html
その他オススメ
・YouTubeアカウント
国内外問わず走者が様々な動画をシェアしている。片っ端からフォローすべし。また、自分の記録動画をアップロードする際にも使用可能。
・Twitchアカウント
ゲームのライブ配信を主に扱うサイト。国内外の走者が利用しているのでこれもアカウントを作っておこう。もちろん自分も配信をすることができ、無料で利用可能。
・ニコニコ動画アカウント
記録動画に解説文を付けたものをこのサイトに上げている人もいる。ニコニコ生放送を主に活用している走者もまだまだいるのでこちらもチェックすると良い。
・speedrun.com
RTAの記録を一括にまとめている大型サイト。
トッププレイヤーたちの記録動画が見られるので、これを確認するのは基本中の基本。やりたいカテゴリの動画には目を通そう。もちろん自分の出した記録をリーダーボードに登録してもらうよう申請もできる。
その他にも、Discordの海外サーバーのリンクなどがフォーラムにあるので、英語が達者ならそちらも確認すると良い。
・ZeldaSpeedRuns(https://www.zeldaspeedruns.com/oot/?translation=ja)
speedrun.comの登場により今はほとんど更新がないが、RTAに関する基本的な情報が集積している。
また、時のオカリナに関してはなんと日本語訳が用意されていて、リンク末尾に " ?translation=ja " を加えると日本語で見られる。神。
ニコニコ生放送にて、隔週で週末に行われている集まり。その時々で色々なゼルダRTAをやっている。詳細は前述のDiscordサーバーで見られる。
RTAを走るのがメインだが、最近見つかったバグ技等の情報や、直近のRTA関係のイベントの告知の情報も得られる。
*バージョンとかよく分からないけど?
時のオカリナはいくつかバージョン限定技があるが、基本的にほとんどのバグ技はどのバージョンでもできるので、こだわりがなければ何でもOK。
ただし、やりたいカテゴリが決まっているのなら、バージョン限定技が必要なものなのかどうかを、誰でもいいので走者に訊くといい。
ただし、英語版はただテキストが多くなり遅いだけなので、日本語版を使うこと。
簡単にバージョンについての説明をする。
時のオカリナのN64実機ROMには、3つのバージョンがある。
・ver 1.0 初期版
バージョン限定技は基本的にこのバージョン。
必然的に環境は64実機となる。
・ver 1.1 中期版
初期版から一部のバグや仕様が修正されたもの。
他のバージョンにはない特殊な部分もあるが、あえて選ぶバージョンではない。
・ver 1.2 後期版
後述のGC、VCなどの移植は全てこのバージョン。
移植は処理落ちがほぼないため多くの場面で優秀
処理落ちがある64実機でこのバージョンを使うメリットはほぼ皆無。
カセット裏の刻印でのバージョンの見分け方。中古ショップで調達するなら。
https://twitter.com/sera18171/status/634752899663437826
・64実機でのプレイにおける共通点
スティックの倒し具合によるリンクの移動速度の切り替わりポイントが少し違うという特徴がある。
特に、"ESS"というかなりの頻度で使うバグ技用の入力(スティックを中途半端に倒して、リンクをその場旋回させる入力)は、この影響と64コンのハード面での仕様上から、若干64実機の方がやりやすい。
もっとも、大した違いではないので後述の移植版が不利かと言えばそこまでにはならない。
また、N64実機は処理落ちの影響で、ポーズバッファというテクニックの操作が場所によって結構バラつく。慣れれば良いが、理解するまでは少しハードになるので留意されたし。
移植版について
"時オカ裏"を内蔵した風のタクトの予約購入特典版と、故クラブニンテンドーの特典の"ゼルダコレクション"というものの2種類ある。
ごくわずかだが、ゼルコレ版の方がソフトリセット時の再開が早い。値段はゼルコレ版の方がそこそこ高い。
GCはポーズがやたら遅くかなり使いづらいので基本的に非推奨。
一応GCでしかできない技もあるが、使いどころがほぼない。
ただし時オカ裏のRTAをするのであれば必然的にGC版を使うことになる。
・Wii VC(バーチャルコンソール)
処理落ちがほぼなく操作も申し分ない有能環境。
バージョン限定技が使えないことを除けば最強なので迷ったらコレ。
ただし、後述の通り現在はWiiショッピングチャンネルがサービス終了してしまっているため、既にソフトがダウンロードされているWii本体を入手する必要がある。
・WiiU VC
入力に遅延が多く使いづらいのでオススメしない。
後述のコントローラーについての項目でも説明するが、WiiU Pro コントローラーはRTAには使えないので、Wiiのクラシックコントローラーを使用する必要がある。
“まるごと保存”という機能でいわゆるクイックセーブとクイックロードができるため、練習には使える
が、RTAでのこの機能の使用は禁止されているので注意。
一応キーコンフィグでボタン配置を好みのものに変更することが可能。
また、WiiUスマブラ用のGCコン公式コンバーターはVCには使用できない。
バージョン限定技とは別に移植版は移植版でこちらでしか使えない技もまたあるので、先述の通りやりたいカテゴリがあるのならまずは走者に訊くこと。
※Wiiショッピングチャンネルのサービス終了に伴いVCは入手がやや困難に。
こちらの、サービス終了日時の公式アナウンス参照。
https://www.nintendo.co.jp/support/information/2017/0929.html
メルカリ等のサイトでソフト名を含めてWiiを検索すればヒットしないことはないので、中古ショップで運任せの購入よりはいくらか効率的かと思われる。
ちなみに3DS版のバグ技については、似ている部分こそあるが基本的に別のゲームなのでここでは扱わない。
*コントローラーはどうすればいい?
ソフトに対応しているコントローラーであればどれでも好みのものを使用可。
大きな違いはない。
公式の物のみざっと紹介する。
・64コントローラー
64実機で使用可。C入力が全てボタン。
・ゲームキューブコントローラー
LRトリガーが、GC版は半押しと押し込みどちらでも入力されるが、VCでは押し込まないと入力されないので注意。
・クラシックコントローラー/クラシックコントローラーPro
持ち心地以外は無印とProに違いはない。
スティックの倒し幅がGCコンと比べて広いので、GCコンとの違いに注意。個人的にはそのおかげでESSがやりやすいと思っているが、人それぞれ。
・WiiU Pro コントローラー
スティックに溝がないため、前後左右斜めへの直進移動や方向転換が不安定。
これらが確実にできないと、ほとんどのセットアップが使えないので、絶対にオススメしない。
WiiUでプレイするならWiiのクラシックコントローラーを使うこと。
WiiU Game Padも同様。
コンバーターやその他の非公式コントローラーについては、使用自体は禁止されてはいないが、連射機能の使用は禁止なので注意。
・ESS Adaptorについて
コミュニティのルールで、俗に"ESS Adaptor"と呼ばれているコンバーターの使用が許可されている。
これは、前述のESSと呼ばれるスティックの倒し加減の範囲を、N64実機の仕様に近い状態にリマッピングするというもので、つまりRTA中に非常によく使うESSという技を移植版においてやりやすくする手助けをする外部ツールである。
RTAでの使用が許可されているので、もちろん使いたい人は使って問題ないが、これが無いとRTAができないという程の代物ではない。世界記録を獲ろうとまで思えるようになった時には、検討してみるといいかもしれない。
入手方法等は前述のDiscord内で尋ねてみると良い。
・基礎技を覚えよう
もうこのカテゴリのルートとしては古い動画なのでPart1以降は役に立たないが、基礎技の解説をしているPart0はそのまま入門の勉強に使えるので紹介。頑張って作ったので活用してほしい。
https://sp.nicovideo.jp/watch/sm25776709
これを見て分からないことがあれば、また走者に訊いてみよう。
・RTAの計測タイミング
原則として、作成しておいた新規ファイルで「このファイルを開きますか?」という画面で「はい」を選択した瞬間から計測開始。
終了タイミングはカテゴリによって異なるので要確認。speedrun.comで先人の記録動画を見よう。
やりたいカテゴリ以前にどんなカテゴリがあるかも分からないし、環境整えたあとは何からすればいいんだって人のために、続編書きました。
https://sera18171.hatenablog.jp/entry/2021/04/28/193000
筆者のTwitter : https://twitter.com/sera18171
質問等あればこちらでもどうぞ。